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関西&エサレン研究所での認定コースの主任講師である、シャー・ピアス先生の、エサレン®ボディワークについてのエッセイをご紹介します。
エサレン研究所のある、ビッグサーの大自然の中で生まれ育ったシャー先生。
大自然が生み出した、エサレンボディワークの美しさの秘密が、ここにあります。
(この文章では、エサレンマッサージと表記されています)

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人生にしっかりとグラウンディングし、私たちが持つ潜在能力を十分に発揮するためには、“今、ここ”に意識をむけて、身体内部のバランスをとる必要があります。このプロセスをサポートするために、私たちは意図的なタッチを用いて、身体という魂の乗り物に働きかけます。

エサレンマッサージが他のマッサージと異なるのは、そのユニークなスタイルにあり、手技を超えたタッチング(触れること)についての考え方です。エサレンマッサージのプラクティショナーはホリスティック(全人的)に考え、身体と私たちの思考、感情、精神が密接に関係していること、そして私たちと私たちを取り巻く世界がつながっているという考えを受け入れています。

このエサレンメソッドの中心にあるのは、共感と感謝です。これを意図することで、私たち一人一人が、調和と相手を敬う感覚を取り戻し、内に秘めた癒しのエネルギーに気づくことができるのです。

タッチは人間がもつ非常に基本的な欲求です。タッチの欠如によるスキン・ハンガー(皮膚の”飢え”)と胃の感じる“飢え”は同じくらいリアルです。けれども、その欲求は、社会の中で厳しく制約を受けています。タッチというと、まず性的な触れ合いと同一視されてしまうからです。人々は触れることに憶病になり、タッチを通して養われていく能力のことをすっかり忘れてしまっています。エサレンマッサージでは、タッチという言語を通して他者への共感や思いやりを表現していきますが、これはヒーリングというだけでなく、私たちが本来持っている能力で、容易に思い出すことができるものなのです。

エサレンマッサージを特徴づけている重要なポイントは、呼吸に注意を払うこと、ジャッジしないオープンで瞑想的な状態からワークを始めること ― これはプラクティショナーの感受性をサポートしてくれます ― そして、受け手からのフィードバックを敏感に感じ取ること、などです。また、プラクティショナーのハートから手を通って受け手に伝わったエネルギーが、また手を通って戻ってくるというノンバーバル(言葉を用いない)・コミュニケーションのサイクルが起こます。セッションの過程で、習慣的な緊張パターンや古い感情がしばしば解放されていきます。

エサレンマッサージには、決まった手順というものがありません。長く流れるようなロングストロークは、私たちの身体が一つの全体的な存在であること、すべてのものとつながり、調和している感覚を生みだします。よく太極拳のマッサージと呼ばれるのですが、受け手の気持ちが和らぎリラックスするように、ゆっくりとした、リズミカルで、波のようなペースで行うことで、副交感神経が優位になり、生理学的な癒しが起こります。また、優しくゆっくりとした牽引によって、身体を伸展し、背骨、四肢、関節にスペースを生みだします。時折おとずれるポーズ(間)や静かな時間は、感覚運動の情報や心や身体に起きている変化を、マインドが統合していくプロセスを促します。

エサレンマッサージは、身体の声に耳をすまし、その声に応え、流れるように、時にポーズをとりながらアプローチしていきます。それが、このマッサージを特別なものにしています。クライアントやプロのボディワーカーから、「今まで受けたマッサージの中で一番素晴らしかった」との言葉を頂くことも珍しいことではありません。